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カテゴリー: 未分類

電通、北米のデータアナリティクス専門コンサル会社を買収


 

3月11日、広告代理店大手の電通は、海外本社「電通イージス・ネットワーク」を通じて、北米のデータ・アナリティクス専門のコンサルティング会社「Cardinal Path Holding Company」(以下「カーディナル・パース社」)の株式100%を取得することに同社株主と合意したと発表した。

カーディナル・パース社は2011年設立。ビッグデータの分析とコンサルティングやソリューションに強みを持つ。

傘下にカナダ法人と米国法人を持ち、77名の従業員を抱えている。2015年の収益は、約13億円。

今日の広告コミュニケーション・ビジネスにおいて、ビッグデータ分析に基づく、より精緻で効果が見込めるプランニングや施策の重要性が高まってきたことが挙げれ、買収により、電通グループはデータ・ソリューション力の強化により、北米における既存顧客へのサービス向上と新規顧客の開拓を狙うということだ。

具体的にはカーディナル・パース社は
①クライアント企業内に分散して存在するデータを整理
②データから読み取れる企業課題を抽出
③多様な外部オーディエンスデータを掛け合わせての統合分析、
④コンサルティングおよび各種ソリューション施策の実施とその検証
という4つのプロセスで質の高いサービスを提供しているという。

詳しくは以下のリリースをご覧ください。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2016/0311-008708.html 

投稿日: 2016年03月15日 | 投稿者: Consulting Industry News

2015年コンサルティング業界 10大トピック総括!


 

2015年、当ニュースサイトで取り上げた記事を中心に、2015年にコンサル業界で起こった印象的なトピックを纏めてみました。

1.マッキンゼーによる買収

マッキンゼーのルナー買収の記事は、今年最も反響が大きかった記事でした。Newspicksでも多く拡散され、デザイン、コンサル、経営に関し、様々な意見が書きこまれました。さらに年末には、マッキンゼーはビッグデータ技術に強みを持つ、クァンタムブラックを買収したことを発表。

両ニュースとも、業界の頂点に立つコンサルティングファームの動きとして大変注目されました。コンサル業界が提供する価値が今後すこしずつ変わっていくことを暗示するのかもしれないと印象付けました。

<関連ニュース> 
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■5月15日 マッキンゼー、デザインコンサル
ファームの「LUNAR」社を傘下に
http://www.consulnews.jp/2015/05/15/mckinsey_lunar/
■12月3日 米マッキンゼー、初めての海外投資
中国平安保険の電子商取引部門に出資
http://www.consulnews.jp/2015/12/03/heian_hoken/
■12月16日 マッキンゼー「クァンタムブラック」
を買収。今年、4社目の買収。
www.consulnews.jp/2015/12/16/mackinsey_quantumblack/

2.会計系コンサルティングファームとITの巨人の協業

6月、PwCがGoogleと協業を発表しました。今年、いくつか会計系コンサルティングファームと大手IT企業の協業を伝えた記事がありましたが、その中ではPwCとGoogleの協業が最も注目を集めた記事でした。

相変わらず「経営」におけるITの重要性は高まるばかりであり、コンサルティング会社単独ではクライアントの経営課題解決に対応しきれないということが起こっているのかもしれません。こういった環境において、買収や提携という経営判断により、コンサルティングファームがサービスの幅を拡大・強化していくのは最近の特徴かもしれません。

<関連ニュース> 
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■3月31日 KPMGがマイクロソフトとの
新しい戦略的提携締結を発表
http://www.consulnews.jp/2015/03/31/kpmg_microsoft/
■5月2日 EYとマイクロソフトが提携
http://www.consulnews.jp/2015/05/02/ey_ms_alliance/
■6月17日 PwCとGoogle、グローバルでの
協業に基づき、日本国内でのサービス
提供開始を発表。
http://www.consulnews.jp/2015/06/17/pwc_google_service_start/
■8月14日 PwC、日本マイクロソフトと
MS製品を活用したコンサル事業で協業開始
http://www.consulnews.jp/2015/08/14/pwc_ms/

3.デジタル・ビッグデータ関連サービスの拡張

1900年代終わりごろから、ITを使って業務を効率化するという動きは活発になってきましたが、今年はITがデジタルという言葉に置き換わり、コンサルティング各社がサービス展開を広げてきているような印象があります。ITを経営効率化のために使うというだけではなく、ビジネス拡大・売上増加のために使っていくこと。コンサルティング会社がこういったことに取り組み始めた印象を受けます。

そんな中、コンサルティングファームと、大手小売業が協業を強化し合弁会社を設立するという動きが2015年後半に2つ続きました。アクセンチュアとファーストリテイリング、シグマクシスとローソンです。両提携とも業務変革と人材育成を目指しているようです。これらの合弁会社が今後どうなっていくのか?注目して追いかけていきたいと思います。

<関連ニュース> 
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■6月16日アクセンチュアとファーストリテイリングが、
デジタルイノベーションに向け協業を発表。
将来的には合弁会社設立。
http://www.consulnews.jp/2015/06/16/accenture_firstretailing/
■9月1日 アクセンチュアとの合弁会社となる予定の新会社
「株式会社ウェアレクス」を、ファーストリテイリングが設立
http://www.consulnews.jp/2015/09/01/wearex/
■9月8日 ローランドベルガー、ブランド刷新。
コンサル業務の拡大も発表。
http://www.consulnews.jp/2015/09/08/rolandberger_newbrand/
■9月15日 アビームが専門組織「ABeam Digital」を
新たに立ち上げ
http://www.consulnews.jp/2015/09/15/abeam-digital/
■9月25日トーマツ、IBMのビッグデータ分析
ソリューションと組み合わせた「レポーティング
ガバナンス サービス」の提供を開始
http://www.consulnews.jp/2015/09/25/reporting_governance/
■10月3日 経営共創基盤がビッグデータ・
AI領域における専門子会社
「IGPIビジネスアナリティクス&インテリジェンス」を設立
http://www.consulnews.jp/2015/10/03/igpi_business_analytics/
■10月9日 アメリカではIBMが、日本ではNTTデータが、
それぞれ人工知能のビジネス活用を推進する組織の設置を発表
http://www.consulnews.jp/2015/10/09/cognitive_computing/
■12月22日 シグマクシス、ローソンと合弁会社
「ローソンデジタルイノベーション」設立を発表。
http://www.consulnews.jp/2015/12/22/lowson_degital_innovation/

4.セキュリティーに関するコンサルティングサービスが伸長・拡大

PwCの新会社「PwCサイバーサービス合同会社」設立など、セキュリティ関係のサービスを強化した動きがたくさん見られました。ベネッセ、日本年金機構など大規模な世間を賑わすセキュリティ事故が相次ぎ、情報セキュリティが、IT部門の課題のみならず「経営課題」として捉えられるようになり、これに対応した動きだといえます。

事前の漏えい防止策という考え方だけでなく、事故は起こってしまうものだと考え、発生してしまった時に以下に被害を最小に抑えるかという考え方のシフトも見られました。セキュリティ事故に関するニュースは後を絶たず、企業の取り組みに応じた今後のコンサル各社の取り組みに注目です。

<関連ニュース> 
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■1月29日:シグマクシス、ビジネスブレイン太田昭和の
子会社の株式を49%取得。情報セキュリティ分野で協力。
http://www.consulnews.jp/2015/01/29/シグマクシス_ビジネスブレイン太田昭和/
■6月7日 PwC、新組織「スレットリサーチラボ」を立ち上げ。
“レジリエントセキュリティ”実現を支援
http://www.consulnews.jp/2015/06/07/pwc_resilient_sequrity/
■8月13日 KPMG、インフラ産業向けサイバーセキュリティ
アドバイザリーサービスを開始
http://www.consulnews.jp/2015/08/13/kpmg_security_advisory_service/
■9月3日 デロイト「サイバー インテリジェンス サービス」
提供開始。
http://www.consulnews.jp/2015/09/03/deloitte_security/
■11月9日 PwC新会社「PwCサイバーサービス合同会社」設立。
http://www.consulnews.jp/2015/11/09/pwc_cyber_service/

5.電力自由化やマイナンバーなど、社会変化に対応した支援サービス拡張

2016年1月からのマイナンバー運用開始、2016年4月からの電力小売り自由化など、社会的にもニュースになっており、企業は対応を迫られています。そういった企業に対しコンサルティング会社が支援内容をサービス化し、価値提供をするという動きが見られました。ただ、マイナンバーに関する支援は、SI各社では特需と言われるほど、受注が相次いでいるようですが、コンサル業界界隈では思ったほどニュースにはなっていないような印象でした。

<関連ニュース> 
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■1月20日 IBM、電力・ガス小売り自由化に向けた
マーケティング戦略策定支援サービスを開始
http://www.consulnews.jp/2015/01/20/ibm電力ガス小売り自由化に向けマーケ戦略支援/
■6月13日 アビーム、マイナンバー導入支援
サービスを開始 
http://www.consulnews.jp/2015/06/13/abeam_mynumber/
■6月16日 PwC、新規電力事業参入事業者向けコンサルを
「コンポーネントスタイル」で提供開始
http://www.consulnews.jp/2015/06/16/pwc_denryoku_jiyuka/

6.新規事業支援・イノベーション支援のサービス広がる

効率化で利益を増やすといったテーマよりも、売上を上げるとか、新事業やサービスを作るというコンサルティングテーマは、不確実性が高く、コンサル会社が取り組む際も失敗のリスクが比較的高いものになります。しかし今年、コンサル各社からは新規事業やイノベーションの支援といった、より難易度の高いテーマに取り組むという発表が見受けられ、そういった動きが多かったことは印象的でした。

<関連ニュース> 
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■5月28日 PwC「ベンチャー支援センター」を
20名でスタート。3年で3倍にする計画
http://www.consulnews.jp/2015/05/28/pwc_venture/
■7月3日 PwC、イノベーション促進のための
専門組織「グローバルイノベーションファクトリー」を設置
http://www.consulnews.jp/2015/07/03/pwc_gif/
■11月6日 三菱UFJリサーチ&コンサルティング、
CEO人材育成プログラムを開始。同社で2年雇用
http://www.consulnews.jp/2015/11/06/murc_ceo_program/
■12月11日 「アクセンチュア・オープン
イノベーション・イニシアチブ」設立を発表
http://www.consulnews.jp/2015/12/11/acn_openinnovation_initiative/

7.コンサルファーム出身ベンチャー起業家への出資が相次ぐ

新規上場企業数はここ数年、徐々に増加傾向にあり、2015年には100社近くの会社が上場。スタートアップ界隈が盛り上がっています。コンサル会社で働くコンサルタントにも、将来的にはベンチャーを起業したいという方も多いですね。

当ニュースでは今年コンサル出身起業家が億単位の資金調達を行ったニュースを5つ取り上げました。

<関連ニュース> 
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■2月11日 マッキンゼー出身本蔵氏が創業した
DNA解析のクオンタムシステムズ、
VCなど5社から24億円の出資を受ける
http://www.consulnews.jp/?p=3100
■2月18日 ATカーニー出身の松本恭攝氏が
起業したラクスルが総額40億円の増資
http://www.consulnews.jp/?p=3114
■3月3日マッキンゼー出身の口石氏が設立した
ベンチャー、サイフューズ14億円調達
http://www.consulnews.jp/2015/03/03/cyfusebio/
■3月25日 ベイン&カンパニーを経た起業家が
代表を務めるiPSベンチャーが25億円の
第三者割当増資実施
http://www.consulnews.jp/2015/03/25/megakaryon/
■10月28日 マッキンゼー出身の柴山氏が
立ち上げた「ウェルスナビ」約6億円の
第三者割当増資を実施
http://www.consulnews.jp/2015/10/28/wealthnavi/

8.様々なコンサルティング会社が代表・社長の交代を発表

コンサル業界界隈で代表の交代が本当に多かった1年でした。数が多かっただけでなく、中身を見ても、11年ぶりに社長が交代したボストンコンサルティンググループ、10年ぶりのアクセンチュアなど、長く代表を務めた方の交代も多かったことも特徴です。

見方によっては、こういった代表交代も時代の変わり目であるとも言えるかもしれません。各社代表が変わり、今後どのような方向に経営の舵取りをしていくのか、来年以降も楽しみです。

<関連ニュース> 
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■1月5日 日本IBM社長交代。
マーティンイエッター氏から
ポール与那嶺氏に。
http://www.consulnews.jp/2015/01/05/ibm社長ポール与那嶺氏就任/
■1月5日 SAPジャパンの会長に
元PwC社長の内田士郎氏就任。
http://www.consulnews.jp/2015/01/05/sapジャパン会長に内田士郎氏/
■1月10日 日本HP新社長に吉田氏、
元ケンブリッジテクノロジーパートナーズ代表。
http://www.consulnews.jp/2015/01/10/hp新社長に吉田仁志氏/
■3月6日あずさ監査法人、次期理事長に
酒井弘行氏、就任を発表
http://www.consulnews.jp/2015/03/06/sakai_hiroyuki/
■7月2日 KPMGコンサルティングのトップが交代
http://www.consulnews.jp/2015/07/02/kpmg_top_change/
■7月30日 アクセンチュア10年振りに
社長交代。江川昌史副社長が昇格。
http://www.consulnews.jp/2015/07/30/ceo_egawa/
■8月3日 有限責任監査法人トーマツ
CEO、内規違反で辞任
http://www.consulnews.jp/2015/08/03/thomatsu_ceo_jinin/
■10月1日 PwC代表取締役2名による
執行体制へ変更および、代表交代を発表
http://www.consulnews.jp/2015/10/01/pwc_ceo_change/
■10月26日 監査法人トーマツ、
包括代表に観恒平氏の就任を発表
http://www.consulnews.jp/2015/10/26/tohomatsu_kankouhei/
■11月27日 ボストンコンサルティング
グループの新代表に杉田 浩章氏
http://www.consulnews.jp/2015/11/27/bcg_new_ceo/
■11月30日 野村総合研究所新社長に此本氏。
コンサル部門から初めての社長。
http://www.consulnews.jp/2015/11/30/nri_new_ceo/

9.スポーツ関連ニュース

今年もいくつかコンサル業界の人や企業と、スポーツとの関わりをニュースとして取り上げました。スポーツ関連の話題を取り上げると、読者の方からの関心は高いです。

東京オリンピックに向けて、コンサル業界界隈でもスポーツに関する話題は増えてくるのでしょうか?

<関連ニュース> 
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■1月17日 マッキンゼー出身でDeNA創業者の
南場智子氏が、プロ野球界初の女性オーナーに。
http://www.consulnews.jp/2015/01/17/マッキンゼー南場智子dena球団のオーナーに/
■2月5日 アビームのロゴが胸に。
サッカーJ1モンテディオ山形ユニフォーム発表。
http://www.consulnews.jp/2015/02/05/アビーム_モンテディオ山形のユニフォームに/
■4月10日 KPMG、あずさ監査法人内に
「スポーツアドバイザリー室」を設置
http://www.consulnews.jp/2015/04/10/kpmg_sports_advisory/
■7月22日 ATカーニー梅澤 高明氏、
IGPI冨山 和彦氏他が、Jリーグと
アドバイザー契約
http://www.consulnews.jp/2015/07/22/j_league_advisor/

 


 
 
以上になります。

10個にまとめるつもりでしたが、9個しかなくてすみませんでした。

2014年の年末にも、一年の纏めとして総括を行いました。(参考:編集部が選ぶ2014年コンサル業界ニュース/)当時も、一年を振り返り、色々な出来事があったと感じたものでしたが、今思うとずいぶん前の出来事のようにも思います。業界のトレンドも変わったなと思います。それぐらい、2015年もコンサルティング業界では様々ニュースがありました。

一つ一つのニュースを丁寧に追いかけると、業界の動きが確かに見えてきます。業界に身を置く人も、これから入ろうとする人も、2015年業界で起こった出来事を振り返っていただき、今後、コンサル業界と自分の距離感を考える参考になると幸いです。

コンサル業界ニュース編集部
株式会社ワークスタイルラボ
真貝 豪

投稿日: 2015年12月31日 | 投稿者: Consulting Industry News

シリーズ・コンサルからの起業「ClipLineクリップライン」第3回 コンサル経験は起業の役に立つのか?


 

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コンサル業界出身の事業家を取材するシリーズ。株式会社ジェネックスソリューションズ代表の高橋氏にお話を伺った。

前回の連載では、高橋氏がコンサルタントとして企業を支援する中で、業界共通の「店舗マネジメント」に関する課題があることに気づき、その課題意識を元に起業に至ったストーリーを伺った。そんな高橋氏はコンサルから起業することについてどのような意見を持つだろうか?連載第3回はその点を伺う
※前回、連載第2回の記事はコチラから
  
企業特有のノウハウを動画で共有するツールClipLine

もともと起業は考えていなかった

いかにもスムーズにキャリアを築き上げて来たように見える高橋氏だが、当初キャリアプランとして、起業は考えていなかったと言う。

「アクセンチュアに入ったときも、まったく起業しようと思っていませんでしたし、ずっとコンサルタントをやろうと思ってきました。結果的に2013年に起業はしたものの、絶対に起業しようとか、絶対にClipLineを作ろうと思っていたわけではありません」と。

では、なぜ起業したのだろう?

社長として取れる戦略の選択肢の広さと、自分で実行できる魅力

「スシローやダイヤモンドダイニングで実績を積めたこと、また、外食業界の特徴として、創業社長が多く、彼らの物事の捉え方、考え方に触発されたことが大きいですね。多くの創業社長と過ごす時間が増えるにつれて、創業社長として取れる戦略・戦術・施策の選択肢の広さと、自らの判断で実行できる部分に魅力を感じました。」と高橋氏。

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コンサル業は例えればピン芸人の集まりで、会社に帰属意識はあるものの、細かい指示もなければ、勤怠管理もされない。そのような自由さはコンサルタントの魅力ではある。

一方で、創業社長の場合、ビジネスを展開していくときに選択できるオプションの幅が違う。その会社のトップであれば、コンサルタントを雇うこともできるし、ファンドから資金を調達することもできる。ビジネスの展開の幅、意思決定できるオプションが全く違なる。

ジェネックスパートナーズではパートナー職(事業会社の執行役員レベル)まで昇進していた高橋氏。

「コンサルタントもパートナーをやっていると、コンサルを『事業』としてやっているので、事業感覚は身につく。そういった経験や、プロジェクトで出会う創業社長からの影響を通して、自分がトップでやることの魅力、それも雇われ社長ではなく創業者としてやる魅力を肌で感じたこともありますね」と語る。

慎重であることと、起業に踏み切ること

「コンサルタントを15年もやっている人は基本的にリスク感度が高く慎重なわけです。私は未だにだいぶ慎重です(笑)。一方で、起業当時40歳も近くなってきて、「ここでチャンレンジしないことの方が後悔するのでは?」という思考が強くなってきました。たとえ1,2回失敗したとしても、人生の糧になるのではないかと。そういう割り切りは半分ありました。」

慎重さについて高橋氏はさらに語る。

「ただ、起業については慎重な人の方が成功確率が高いのではないかと思っていますし、実際、ここまでのところは、慎重に事を進めて正解だったと思っています。そこまで慎重な私がなぜ起業できたかというと、古巣のジェネックスパートナーズ創業社長であり現会長の眞木さんに背中を大きく押してもらったからです。GENEXの社名も当社につけさせて頂いていますし、業務提携という形で、同社とは、案件・人材面でいまだに強いつながりがあります。さらに丸2年に渡りオフィスも低価格で貸して頂きました。本当に恵まれた舞台をご用意頂いたことで、慎重な自分でも起業に踏み切れたというのが本音です。…ジェネックスパートナーズには足を向けて寝られないですよね(笑)。」

コンサルからの起業について。コンサル経験は起業に役立つか?

「コンサルタントとしては、新卒のアナリストから始めて、マネージャー、パートナーまでやりました。その経験を積んだ上で起業したことは、非常に良いことでした。トップに対しClipLineを提案する時も非常に役に立ちますし、また、自分がチームアップをしていくときも、すべて一回体験したような感覚があります。」

ジェネックスパートナーズは経営のトップとも議論するが、成果の創出にこだわる実行支援を行っているため、本当に泥臭い現場のところもやる。「机上で書いた絵が実際にどうなるのかを見届けることができるので、起業を考える方には非常に良いコンサル会社だと思います。疑似体験がかなりできるので、起業したい人はジェネックスパートナーズで修業してみたらどうかな(笑)。真面目にそう思いますよ。」と高橋氏。

例えば起業後に必要となる、オフィスの賃貸契約をはじめとした事務手続き、採用・配置・育成といった人事周り、資金調達の際に投資家に対して行う事業説明など、クライアントに対するコンサルテーションやパートナーとしての事業運営の中で一通り一回体験していることは大きく、ゆえに、起業をしてから発生したことはほとんどすべて想像の範囲内で、「『驚いた』ということはほとんどない」と言う。

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インタビューに答える高橋氏

想いが明確になるまでコンサルタントを続けるという選択肢

起業を選択肢に入れ、コンサル会社で勤めるコンサルタントをどう思うか?高橋氏は以下のように語る。

「起業しようと思ってコンサルになったものの、アイデアがなくて起業できない人は多い。その段階では起業しない方が良いと思う。成功している起業家には『熱い思い』があり、その熱さで走り切るタイプが多いように思います。コンサルは頭で考えてから入る人が多いので根本的にタイプが違う。だから、そういう人が『起業をしなきゃ』と思って起業しても成功しないのではと思う。

日本だと、学生や20代の起業イメージが強いが、欧米だと40代の起業家も多く、一定の経験を積んで特定の専門分野で起業をする。私の場合も経験を積んだ分野での起業のため、現在の事業内容もコンサル時代の延長上にある。コンサルタントとして支援していた業界を、もっと効率よく支援するためにコンサルをソリューション化した。

『今までと違った手法でやるためには起業をしなくてはいけない』というくらい、やりたいことが明確になるまで、コンサル会社で経験を積んでおけばよいのではと思います。」

コンサル業を追求し続け「コンサル会社ではできないこと」にぶつかること

ではコンサル業界で働きながら「起業するぞ」という想いを見つけるというのは、どうすれば良いのだろうか。

「当たり前ですが、コンサルタントは、自分の修行のためではなく、クライアントのために仕事をしている人が大多数だと思う。それを追及し続ければよいと思う。追及し続けると『コンサル会社ではできないこと』が出てくる。

コンサル会社でパートナーまでやると、専門業界・テーマが自然と決まってくる。そうなると、完全にデジャブの中で仕事をすることになる。コンサルは年に数社しか見ることができない。それを超え、『その業界を変えたい』とまで考えられたとき『コンサル会社ではそこまでやるのは無理』となる。そのときに初めてソリューションの話になり、卒業、そして起業の時が来るのではないかと思います。」

 
(取材:株式会社ワークスタイルラボ 真貝 豪)

【シリーズ・コンサルからの起業「ClipLineクリップライン」】
第1回 企業特有のノウハウを動画で共有するツールClipLine
第2回 コンサルタントを経ての起業
第3回 コンサル経験は起業の役に立つのか?

投稿日: 2015年10月31日 | 投稿者: Consulting Industry News

シリーズ・コンサルからの起業「ClipLineクリップライン」第2回 コンサルタントを経ての起業


 

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コンサル業界出身の事業家を取材するシリーズ。株式会社ジェネックスソリューションズ代表の高橋氏にお話を伺った。

前回の連載では同社が提供しているiPadのツール「Clipline」のサービス概要、導入イメージ特徴を紹介した。高橋氏はなぜ起業に至ったのだろう?連載第2回はそこを掘り下げる
※前回、連載第1回の記事はコチラから
 
アクセンチュア・ジェネックスパートナーズを経ての起業

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インタビューに答えるジェネックスソリューションズ代表の高橋勇人氏

高橋氏は京都大学理学部及び大学院で生物学の基礎研究を行った後、アクセンチュアに入社。

アクセンチュアでは、IT戦略立案から、設計、開発、テスト、運用までを3年半で一通り経験。

その後、もともとやりたかった「ビジネスのコンサル」ができる仕事を探していたところ、ジェネックスパートナーズと出会い、12年前の2003年に転職。同社は経営者の参謀として戦略を描くだけでなく、事業改革の実行支援まで手掛け、成果を創出することにこだわるコンサル会社だ。

高橋氏はジェネックスパートナーズへ転職後、アミューズメント、ヘルスケア、IT、製造、金融など様々な業界における企業価値向上をコンサルタントとして手掛けた。

外食企業の支援。成功プロジェクト「スシロー」の経験を経て

そんな中、2009年-2011年に支援した、回転すしチェーンの「あきんどスシロー」(以下「スシロー」)での経験がブレイクスルーになる。

各種メディアでも報じられているが、ユニゾンキャピタルが株主であった時代、スシローは売上が600億台から1000億円の大台を超え、業界順位も2位から1位になった。高橋氏は、この改革をコンサルタントとして支援し、「大きな成功案件のど真ん中でやらせてもらった」と話す。

当時スシローの経営改革は、コンサル会社はジェネックスパートナーズ、マーケティングは博報堂といった具合に、外部から招いた多様な専門家で「チームスシロー」を混成し行われていた。

支援修了後、スシロープロジェクトは、コンサルティング・プロジェクトとしては珍しく、「チームスシロー」についてメディア露出が多く、書籍にもなった。これにより高橋氏は「スシローを改革した人」と称され、その後は、外食企業建て直しの依頼が多くなる。

そして、高橋氏はスシロー後に、同じ外食のダイヤモンドダイニング社を支援することにもなる。この案件では、同社の社外取締役も務め、4年弱の支援の結果、JASDAQから東証二部、東証一部と指定替えできるほど業績を改善させた。

 
 スシローでのプロジェクトが掲載されている書籍。高橋氏のインタビュー等も掲載されている。
 ※画像をクリックするとAmazonへジャンプし購入可能です

スシロー世界を握る
11章に高橋氏が寄稿した「スシロー、飛躍の秘密と挑戦課題」が収録
顧客満足度No.1のチームマネジメント回転ずしスシロー7つの秘訣
「秘訣7 経営企画のシステム化 見える化を駆使したマネジメント」において、高橋氏のインタビューが掲載
スシローが顧客満足度No1になった50の秘密
「第3章 チームスシロー 陰で支えるパートナー」において、高橋氏のインタビューが掲載

 
 
ダイヤモンドダイニング社の支援では、100店舗100業態のコンセプトを打ち出して上場した同社の戦略を大幅に転換、スクラップアンドビルドを通してブランドの集約と大幅な組織変更を実行し、顧客マーケティング戦略も一新した。

このように、高橋氏はスシローやダイヤモンドダイニングなどの支援を通して、多店舗展開している外食ビジネスで取り組むべき課題に網羅的に取り組む経験を得た。

サービス品質のバラつきやすさという、店舗マネジメントの問題

こうした外食業界の支援を通して、サービス業における店舗マネジメントやサービス品質向上に必要な本質的な課題に気付く。

多店舗展開する外食企業では、働いている人の数が非常に多い。その多くがアルバイトなどの非正規社員で、彼らは、何か問題が生じるとすぐにやめてしまう。また、全く別の問題として、「いらっしゃいませ」という一言でも、サービス提供者やそれを受け取る相手によって、求められる正解は異なる。

さらに、サービス品質は数値化が難しい。それ故にどのような「いらっしゃいませ」が良いのか、本社の人間すら誰も判断することができない。また、「いらっしゃいませ」と言った瞬間がサービスの生産であり、同時に、言い終わった瞬間にサービスが消費されてしまう。つまり、サービスの生産と消費が同時に起こっている。そのために、なおさらサービス品質の検証がしづらい。

結果的に、店舗や従業員ごとにオペレーションに大きなバラつきが生じ、サービス品質にも差が出る。しかしながら、こうした構造的課題ゆえに、むしろサービス業には改善の余地が多くある。これがClipLine立ち上げのヒントになった。

「映像」で伝える重要性

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ClipLineは「映像」にこだわる。これも高橋氏のコンサル経験が元になっている。

「前述の『チームスシロー』には、博報堂も入っていたのですが、全国300人の店長が集まる店長会議のオープニングセレモニーで、テレビCMのようなクオリティの映像を作成し流していました。その映像のクオリティの高さゆえに、それを見た店長たちの心が動くのを目の当たりにしました。

また、コンサルをやる中で、全国の店舗のチェックを『写メールで送り返す』方法でやろうとしたのですが、当時は通信速度も遅く、今ほどケイタイやスマホの機能が発達してなかったため、画像がブレてしまうし、解像度が低い。そのためほとんど使えませんでした。ただ、通信速度とデバイスが高機能化すれば、『動画で双方向のやりとりをする仕組みを実現できるようになる』と思っていたわけです。」

コンサルタントとして支援していたプロジェクトでの経験を元に、動画の可能性をClipLineで実現した。コンサルタントとしての経験を存分に生かしている。これは学ぶべきところだろう。

コンサルタントがやる意味。経営改革のためのツールという発想

類似サービスを提供する後発のIT企業が現れたら勝てるのだろうか?

「ClipLineは技術的に特殊なものは使っていない。だから最初は、競合がすぐに出てくるのでは、と思っていましたが、やってみて思うのは、これはコンサルタントが作り、日々改善していることに意味がある、ということです。画一のソリューションを提供するのではなく、「一個一個の経営改革のためのツール」という意味合いが強いのです。

現在、12社にClipLineを使って頂いていますが、使い方は企業ごとに全然違う。使って頂いて成果を出すことに主眼を置き、成果が出るまで支援をしている。これはIT会社の発想ではできないと思います。」

ClipLineは、そもそも「企業改革をする」発想で作っているため、唯一無二の存在だというのだ。

コンサルティングの経験を活かし、企業や業界の共通の課題を解決するための事業を起こした高橋氏。第3回はそんな高橋氏の起業に対する考え方を伺う。
 
⇒連載3回目、続きはコチラをクリックください!

投稿日: 2015年10月29日 | 投稿者: Consulting Industry News

スカイライト、東京Vとの資本・業務提携を語る 第3回「これからのヴェルディ、これからのスポーツビジネス」


 

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2020年東京五輪に向けスポーツ庁が創設されるなど”スポーツ”が熱を帯びている。そんな中、2月10日にスカイライトコンサルティングは東京ヴェルディ1969フットボールクラブとの資本・業務提携を発表した。スカイライトの狙い、出資に至る経緯、現在の支援や今後について伺ってきた内容を3回シリーズでお伝えする。

[過去の連載はこちらから]

第1回「出資決定。そして成功報酬型のコンサルティング契約締結」

第2回「ヴェルディ再生の鍵。スクール事業」
 
 
第3回これからのヴェルディ、これからのスポーツビジネス

栗原氏はヴェルディ支援の長期的なビジョンを以下のように語る。「20年後にはカズやラモスを超えるようなスター選手が生まれるようなクラブになっているとよい。それによりアジアや世界中の子供たちの着ているユニフォームが、バルサやレアルじゃなくて、ヴェルディのものになっているといいですね。そこまでイニシアチブをとっていきたい。まずはそこを目指したい。」

ヴェルディを都市型クラブとして成功させたい

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プロジェクトで関わるというよりも、「一緒にフットサルをプレーし、その後飲みながらサッカー談義に花を咲かせることなどが多かった」と話す2人。羽物氏はコンサルタントの提案に対し「できない」ではなく「どう実現するか?」を共に考えるスタイルを取る

これまでも述べたように、サッカークラブは地域で根ざしつつも世界に広げていくという、相反する2つのことを両立させなければいけない。栗原氏はヴェルディを都市型のクラブに位置づけ、次のように語る。「Jリーグのクラブはローカルで成功しているところはあるが、東京のような都市のクラブで成功しているところは少ない。地域クラブの成功は、Jの理念を体現しているから素晴らしいのだが、ヴェルディは東京のクラブとしての発展を目指していくべきだと思っています。ローカルで成功するクラブを目指すのではなく、日本のスポーツ界全体を牽引できるようなクラブを目指したい」と。

栗原氏のその広い視野の中には、スポーツ全体への想いが見え隠れする。「今、テニスをやる子供が増えている理由は一つしかない。錦織圭選手の活躍。間近で子供が目を輝かせ、大人たちでさえも夢中になっている。そういうものを作ること。バルセロナとかレアルとか、バイエルンみたいなクラブが日本にあるほうが、日本のスポーツ界にとっていいことだとも思っています」栗原氏の述べることはヴェルディ羽生社長が掲げるビジョン「20年で200億円のクラブを作る」と一致している。

またスカイライト社長の羽物氏は、栗原氏に同調しつつ「ヴェルディが都市型クラブとして成功し、FCバルセロナになるためには単独ではむつかしい。メディアとか、スポーツメーカーとか、チーム以外の組織や人たちを巻き込んでいかないとならない。そうしないと、大きなお金が回らないだろう。逆に言えば、サッカー以外の会社を巻き込めるようになると、ヴェルディの予算は何十倍かになっているはずで、その時は凄いことになっている」と語る。

もっとスポーツをみんなが楽しめるようになる社会に

羽物氏はさらに上の視点で、日本のスポーツ文化、ビジネスについて「スポーツを、もっとみんな楽しめればいいと思う」と話す。今の社会のスポーツに対する向き合い方に対し「最近、少年サッカーの監督をやっていて、スポーツを楽しむことが、少し曲がっているなと感じる時がある。子供はサッカーが楽しくて、やりたくて、クラブに入っているのに、習い事みたいに考える親が多い。別にプロスポーツ選手になれるかわからないので、まず楽しめることからやろうよと見ていて思う。そうなっていない現実があるように感じる」と話す。

羽物氏は文化を作ることがスポーツビジネスの発展にもつながることも指摘。「もっと多くのみんなが楽しめば、自然にビジネスとしてももっと大きくなると思う。サッカーだって、生涯スポーツとして、やるのも楽しむ、観るのも楽しむ、子供も楽しむ。そういう風になったらいいのにと思います。今は楽しめる場所もなくなっているし、楽しむという文化もまだ薄いと思う。ここまで来ると、社会的な問題だが、そう変わっていった方が、人間として、みんな豊かに暮らせると思う」と述べる。

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スカイライトコンサルティイング受付にて。羽物社長(左)と栗原氏(右)

終わりに。編集部から。

入社3年目の社員が書いた一通のメールからヴェルディへの出資に繋がったという奇跡的なストーリーの裏には、「想い」があると感じた。スポーツを通じて社会を良くしたいという想いを持ち、コンサルティング会社に入社、そして自らの手で活躍の場をつかみ取り夢を実現。現在はヴェルディを支援するコンサルタントとして活動する栗原氏の話は大変興味深い。

日頃から多くのコンサルタントにお会いしている我々でさえ、栗原氏をたくましく感じるのは、彼に「想い」があるからかもしれない。編集部は常々「想い」の重要性を考えているのが、それを再認識したと思う。「想い」のあるコンサルタントは目が輝き、人を動かし、やり遂げる力があると感じる。

社長の羽物氏は最後に「栗原は、今、何十億あった売り上げが減った企業の再生をやっているようなもの。企業の再生をしながら、一方で、新しいものを作っていくというミッションを持っている」と期待感を表した。彼の想いがあれば、実現可能なのではないかと編集部も思う。

話をうかがっているだけで、取材者である我々自身もヴェルディを応援したくなったのも事実。今後、ヴェルディのチームとしての発展、ビジネスとしての発展、200億チームへの道。そして、スカイライトの日本スポーツへの貢献に期待していきたいと思う。

(取材・文責/株式会社ワークスタイルラボ 真貝豪・河原英人)

投稿日: 2015年06月07日 | 投稿者: Consulting Industry News

スカイライト、東京Vとの資本・業務提携を語る 第2回「ヴェルディ再生の鍵。スクール事業」


 

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2020年東京五輪に向けスポーツ庁が創設されるなど”スポーツ”が熱を帯びている。そんな中、2月10日にスカイライトコンサルティングは東京ヴェルディ1969フットボールクラブとの資本・業務提携を発表した。スカイライトの狙い、出資に至る経緯、現在の支援や今後について伺ってきた内容を3回シリーズでお伝えする。
 
 
第2回ヴェルディ再生の鍵。スクール事業

当時入社3年目のコンサルタントだった栗原氏が、社長の羽物氏に送った一通のメールから始まったスカイライトのヴェルディへの出資。連載第2回は現在スカイライトがヴェルディにどのように関わっているのか?について探った。

[過去の連載はこちらから]
第1回「出資決定。そして成功報酬型のコンサルティング契約締結」

現在は、業務時間の100%をヴェルディへのコンサルティングに使っている

第1回の連載でお伝えした通り、栗原氏はスポーツビジネスに対してコンサルティングサービスを提供することを入社以来望んできた。栗原氏は自らがきっかけを作って、会社が実現させたヴェルディへの出資により、その夢をかなえている。現在は業務時間の100%をヴェルディへのコンサルティングに使っているという。彼は自らの希望を自らで掴んだ形になっている。

悪循環の中にあったヴェルディ

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コンサルタントの栗原氏。中学時代は東京都代表にも選ばれたことがある。スポーツビジネスに対しコンサルティングサービスを提供するという想いを実現させた

栗原氏はヴェルディの経営をどう見ているのであろうか?栗原氏は「サッカークラブは一般的にフットボールセクションと、ビジネスセクションからなっているが、その両輪を回すことが大切。だが、ここ数年、ヴェルディは若手選手を他のクラブに移籍させた移籍金でなんとかやりくりしている状況になっていました。つまり、選手やチームの成長に会社(ビジネス)の成長が追いつかないという状況でした。会社の運営のために、可能性のある若手選手を放出しないといけない、そんな悪循環に陥っていました」と語る。

この悪循環を断ち切るためには、まずスクール事業を含むビジネスセクションでしっかりと売上・利益を上げ、チームに投資するという循環を作っていかなければいけない。栗原は「もちろん、チームが強ければ観客は来る。たとえばFC東京は日本代表の武藤などの代表メンバーが居て強くなり、スタジアムが満員になった。しかし残念ながら今のヴェルディに日本代表クラスのスターはいない。5年後にスターになりうる選手はたくさんいるが今時点はいない。そうなるとビジネスを回すためには、その試合の前後で、どんなイベントをやるか?とか、またどういうチケットを作って売るか?という工夫が必要になってくる」と語る。

その上で、栗原氏は現在支援しているスクール事業に注目した経緯を語る。「支援をしているスクール事業に関しては、ブランドが強ければ人が集まってきやすい。全盛期に比べると多少落ちているかもしれないが、それでもヴェルディにはJクラブとしてのブランド価値はある。また何より圧倒的な育成に関するノウハウがヴェルディにはあると考えています」と。

ヴェルディの選手育成のノウハウとブランド

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東京ヴェルディの運営するサッカースクール。最新の人工芝グラウンド、ヴェルディの普及育成コーチ、日テレ・ベレーザ現役選手など、選りすぐりのコーチ陣が、トップチームと同じ環境で運営。写真は東京ヴェルディサッカースクールブログより。

Jリーグを牽引していたころのヴェルディをリアルタイムで知る羽物氏も、ヴェルディの育成ノウハウについて「ヴェルディは、以前から日本代表選手を出しているノウハウがある。それを上手くビジネスにつなげられる仕組みを作ることが大切です。スクール事業に関しては質の高いスクールを作ること。そして確実に施策を打てば、施策を打っただけの効果が出るというのが仮説です。」とする。スクール事業に関してヴェルディのブランド力は高いということだ。

実際、ヴェルディは昨年のJリーグアウォーズにおいて、指導者育成の優れたクラブに贈られる「最優秀育成クラブ賞」を受賞した。2011年の受賞以来3年ぶり2度目の受賞となり、唯一2回受賞しているのがヴェルディである。

さらに栗原氏はスクール事業のテコ入れの重要性を語る。「今年のトップチームの試合は年間42試合、そのうちホームゲームは21試合であり、つまり営業日が21日しかない。一方、スクールは地域に根差し、毎日営業している。ファン育成という視点で見ても、スクールに通うその子たちは潜在的なファン。生徒および親はクラブのファンになりうる」と。

スクール生徒数を増やすための施策を企画、実行

ヴェルディの小学生向けスクールは、練習グランドは人工芝と設備的にも素晴らしく、また、コーチは育成チームの監督も務めるJリーグS級ライセンスを持つ。「グランドとコーチは素晴らしく、余分な投資が必要ではない。スクールの生徒が増えれば増えるだけ利益率は上がる。生徒数を増やすめに、きちんとプロモーションをし、ターゲットに届くようなメッセージを発信していくことが必要」と栗原氏。

現在のところ2月の支援開始からの3カ月を過ぎたところだ。この3カ月は、事前に立てた施策に対し、効果があるかを試してきたところだという。栗原氏は「打ち手に対しては着実に成果が出ている」と述べる。

このような立ち位置で、スカイライトはヴェルディの支援に向き合っている。外部のコンサルタントの目を通して注目したスクール事業の改革、今後も注目してみたい。次回第3回目の連載は、ヴェルディ支援の長期的なビジョン。またスポーツビジネス全般に対する思いをうかがう。

[第3回連載はこちらから]
第3回「これからのヴェルディ、これからのスポーツビジネス」

(取材・文責/株式会社ワークスタイルラボ 真貝豪・河原英人)

投稿日: 2015年06月05日 | 投稿者: Consulting Industry News

スカイライト、東京Vとの資本・業務提携を語る 第1回「出資決定。そして成功報酬型のコンサルティング契約締結」


 

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2020年東京五輪に向けスポーツ庁が創設されるなど”スポーツ”が熱を帯びている。そんな中、2月10日にスカイライトコンサルティングは東京ヴェルディ1969フットボールクラブとの資本・業務提携を発表した。スカイライトの狙い、出資に至る経緯、現在の支援や今後について伺った内容を3回シリーズでお伝えする。
 
 
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スカイライトコンサルティング(以下「スカイライト」)は、2000年に外資系コンサルティング会社出身の羽物氏が中心となり立ち上げたコンサルティング会社だ。大企業から小規模ベンチャーまでをクライアントとし、ビジネスとITの専門知識を活かして経営課題解決や新規事業立上げなど、企画から実行まで支援するコンサルティングサービスを提供している。

最近コンサル業界でもKPMGあずさ監査法人がスポーツアドバイザリー室の設置を発表、またアビームコンサルティングがモンテディオ山形に出資するなど、何かとスポーツの話題が業界を賑わしているが、そんな中、スカイライトは今年2月10日に、Jリーグ2部(J2)を舞台に戦う東京ヴェルディ1969フットボールクラブ(以下「ヴェルディ」)との資本・業務提携を発表した。

この発表について編集部は、スカイライトによるヴェルディへの出資にどんな狙いがあり、どういう経緯でヴェルディとの資本・業務提携に至ったのか?また現在どのような支援を行っているのか?を取材してきた。3回シリーズでお伝えする。

物語の始まりは、入社3年目社員、栗原氏から送った羽物社長への一通のメール

出資に至る物語の始まりは、発表一年前の2014年2月。スカイライトで当時入社3年目だったコンサルタントの栗原寛氏(注:現在は5年目)が、同社の社長である羽物俊樹氏に送った一通のメールから始まる。

栗原氏は小さいころからサッカーに明け暮れ、中学生では東京都選抜チームに入る程のプレーヤーだった。元々サッカーやスポーツ全般に対して熱い想いを持ち、大学時代にはスポーツで社会問題を解決するNPO法人GLOBE PROJECTでサッカーと社会貢献をテーマに活動していたこともある。

そんな経歴の栗原氏はスカイライトに入社後も「スポーツビジネスに対してコンサルティングサービスを提供できないか?」という想いを持ち、チャンスをうかがっていた。ただ、コンサル業界全体を見渡しても、スポーツチームに対するコンサルティング業務など、あまり聞かない。栗原氏の置かれた状況も同じで、都合良くスポーツチームの支援案件も出てくるはずもなかった。

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インタビューに答える羽物社長(左)と同社コンサルタントの栗原氏(右)

ヴェルディスタッフとの付き合いから

栗原氏はスカイライト入社後、製造業やサービス業のクライアントに対する戦略立案や業務改革の支援プロジェクトで、コンサルタントとしてのスキルを高める一方、引き続きプライベートではスポーツに対して強い関心を持っていた。ヴェルディのクラブスタッフとはNPO法人の活動で知り合っていたが、その方も栗原氏がコンサルティング会社に就職したことを知っていた。

栗原氏はヴェルディのクラブスタッフとの交流を続ける中で、ヴェルディが経営やビジネスをよくしたいという考えがあることを知る。「クラブには課題がたくさんあるようでしたが、コンサルティングを頼む予算はありませんでした。スカイライトが成功報酬型のコンサルティングも手掛けていたので、提案の機会があるのではないかと考えました。」このような経緯、考えから社長の羽物氏にメールを送ることに至ったという。

歴史ある東京ヴェルディ

ヴェルディは1969年に創部された読売サッカークラブが前身となっている歴史のあるチームだ。Jリーグ開幕当初は、三浦知良、ラモス瑠偉、ビスマルク、北澤豪、武田修宏、柱谷哲二、都並敏史などスタープレーヤを擁し、Jリーグを牽引するチームの一つだった。

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※株式会社ワークスタイルラボによるまとめ

しかし1998年に読売新聞社が経営から撤退、2010年には当時株主であった日テレ、サイバーエージェントが共に撤退。経営危機に立たされた時代もある。経営危機に立たされたヴェルディは、現社長の羽生英之氏がJリーグ事務局長との兼務の形で社長に就任。Jリーグ直轄運営という異例の運営体制となった。社長に就任した羽生はスポンサー集めなどで、ヴェルディの再生の足掛かりを作ることに成功。

羽生氏は、当初、再建の目途が立ったところで経営から退く予定だったが、周囲から羽生の続投を希望する声が多く、Jリーグ事務局長の職を辞し、2010年10月ヴェルディ社長に専念することが決まった。

単に出資しスポンサーになっても面白くない

栗原氏からヴェルディを支援するチャンスがある旨のメールを受け取ったスカイライト社長の羽物氏もまた、中学高校はサッカー部で毎日部活に明け暮れていた過去を持つ。社会人になってからはプレーヤーとしてだけでなく、サッカーの指導者資格を取得し、少年サッカーチームの監督もやっている、相当のサッカー好きである。

羽物氏は「単に出資してスポンサーになっても、あまり面白くない」と考えたという。「パートナーとして支援しつつ、きちんとビジネスが伸びるなら面白いと考えた。そういう話に提案ができないか模索してみようよと、栗原に話をした」という。

日本のサッカー市場が頭打ち。一方のヨーロッパのサッカー市場は数倍に

それを受け取った栗原氏は本業のコンサルタントとしての仕事をしながら、夜や週末の空いた時間を使いサッカー市場や成功事例の調査を実施。栗原氏によると、その時の調査結果は以下のようなものである。

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※Jリーグ公式サイトのデータを元に当社にて作成。クリックすると別ウィンドウにて拡大

「日本のサッカービジネスは伸びていない。チームの予算は小さいところだと数億円、大きいチームでも50~60億円、それが10年ぐらい変わっていない。観客動員数は頭打ちとなり、むしろ減っている。一方、ヨーロッパのサッカー市場は10年間で4倍程度のマーケットになるなど、伸びている。個別に見てもFCバルセロナは100億円規模の予算が、10年で500-600億円になっているし、マンチェスター・ユナイテッドはアディダスと10年契約をし、契約料だけで1300億円という規模感のビジネスをしている。日本とヨーロッパのこの差はなんだと思ったわけです」と栗原氏。

日欧のこのような違いに対し、栗原氏はさらに分析する。「ヨーロッパのサッカーは地域に根付いていて、かつ、マーケットを大きくしている。結果、市場は大きくなっている。日本のサッカーがヨーロッパのサッカーのように発展を遂げるためには、広げることと、地域に根付くこと、この相反する両方を上手くやる必要がある。広めるには、日本だけだと小さいのでアジアも含め、マーケットを広げていく必要がある。しかも地域に根付くことをしていくことが必要。日本はアジアでは、まだ強いのでリードする立場として、パイを広げていくことができる可能性がある。前向きにとらえれば、日本で実現できていないのは、まだ可能性があることだと思った」

スカイライトでは栗原氏を中心にヴェルディ再生の仮説に関する議論を社内で深めた。

スクール事業へのコミット。成功報酬でのコンサルティング

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スカイライトコンサルティング代表取締役羽物俊樹氏。自らも少年サッカーチームの監督を務める程のサッカー好き。

栗原氏が羽物氏にメールを送ってから半年後の2014年9月、いよいよスカイライト社長羽物氏はヴェルディ社長羽生氏との対面に至った。先にも触れたがヴェルディ羽生社長は元々Jリーグの事務局長を務めたこともあり、サッカー界の顔も広い。またメディアでは「東京から200億円のチームを作る」と大きなビジョンを掲げている人物である。

両社はその後、調整を重ねた結果、2014年年末にはほぼ合意に至ることになる。羽物氏によると「スカイライトは、ヴェルディのパートナーとしてコミットし、スクール事業のテコ入れを任せてもらうことになりました」という。

そして財務面において「出資だけだとバランスシートの部分だけなので、5年間スポンサーになり売上にも貢献することになった。また、その代わりスクール事業のテコ入れにコミットさせてもらい、スクール事業が伸びた分からは成功報酬でコンサルティングフィーを頂くという話にした」という。出資、スポンサー契約に加えて、成功報酬のコンサルティング契約に至ったことには驚く。

短期的な利益の追求や、一方的な資金提供ではなく、まずはスポーツビジネスの世界に入ること

羽物氏はこの合意について、別の側面から「まずはスポーツビジネスに入る足がかりを作ることで、次の機会を見つけようと議論した。短期的に利益を得ることを目指したり、一方的な資金提供ではなく、スポーツビジネスの中に入ることを重視した。さらに成功報酬でのコンサルティング契約を結ぶことにより、我々自身も多少メリットはあるという形にした。短期的なメリットよりも、長期的な視点で日本のスポーツ界をよくしていき、マーケットが10倍、20倍となれば、コンサルティング、ビジネスパートナーとしてのビジネスチャンスは凄く大きくなる」と語る。

この業務・資本提携に従い、具体的に現在はどのような支援をしているのか?連載第2回目では、ヴェルディの再生について語ってもらう。

[第2回連載はこちらから]
第2回「ヴェルディ再生の鍵。スクール事業」

(取材・文責/株式会社ワークスタイルラボ 真貝豪・河原英人)

投稿日: 2015年06月04日 | 投稿者: Consulting Industry News



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