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2015.10.27 シリーズ・コンサルからの起業「ClipLineクリップライン」第1回 企業特有のノウハウを動画で共有するツールClipLine

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将来的なキャリアとして「起業」を視野に入れコンサル会社に入る人がいる。事実、コンサル会社出身で成功する起業家も多い。コンサルタントは若くして経営目線を持てる職種であり、厳しい環境の中鍛えられ、より早くビジネススキルを身につけられることは確かだろう。

その一方で、コンサルタントは理論には強いが、実行力が弱いため起業に向かないという見方もある。果たしてコンサルは「起業への近道」なのだろうか?当連載ではコンサル業界出身で起業にチャレンジする事業家へのインタビューを通じ議論したい。
 
 
企業特有のノウハウを動画で共有するツールClipLine

株式会社ジェネックスソリューションズは、アクセンチュアおよびジェネックスパートナーズでのコンサルタントを経験した高橋勇人氏が創業したベンチャーだ。同社はiPadを使ったアプリClipLine(クリップライン)を2014年10月にローンチ。今年3月にはベンチャーキャピタル(VC)であるインキュベイトファンドから1.3億円の資金を調達した。

今回のインタビューでは代表の高橋氏にお話を伺った。

動画で企業内特有のノウハウを蓄積しながらサービスレベルを高めるプラットフォーム

ClipLineは、言葉や数値で表現することが困難で、これまで「対面」で行われてきた、「手作業」や「動作」のような業務に関するスタッフの指導や、売上向上のための施策の伝達、品質維持のためのマネジメント等を、30秒程度の動画(クリップ)を通して行えるプラットフォームだ。

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ClipLineの画面。従業員は「学習者アプリ」と「スマートフォンサイト」からクリップ(30秒程度の動画)を閲覧

一方的な「指導」だけではなく、現場のノウハウを吸い上げるなど、双方向のやり取りが可能

スタッフ側のアプリと管理側のアプリが用意されており、映像を通して人材の育成やスタッフの学習管理を行う他、各店舗のノウハウをスタッフが映像化。本部やスーパーバイザーと店舗スタッフのコミュニケーションを双方向に動画で行うことができる。

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「発想としては、本社がすべて決めて現場にやらせるのではなく、現場にあるノウハウを迅速に収集し、経営に活かす、ということです。動画が短くて、双方向ということが一番の特徴ですね。」と高橋氏は語る。


全国に散らばる店舗への業務指導・伝達を、動画を通じ効率的に行う

サービス業の場合、店舗が全国に散らばっていることが多い。そのような企業では、本社で施策を決定した後、マニュアル作成、社内システム活用、動画配信などの手段を用い、エリアマネージャー会議や店長会議を通して店舗に施策を伝達していく。

しかし、伝達の過程で、ポイントが伝わらない、『白』が『黒』になる、『俺流』がはびこるなどの障害のために、上手くいかず、店舗ごとの質やルールのバラつきが解消できないことが多くある。

ClipLineはこの課題を、動画を用いて解決するツールだ。

店舗マネジメントの課題を、『どこでもドア』に近い状態を作り解決する

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ClipLineを手にインタビューに答えるジェネックスソリューションズ代表の高橋勇人氏

「“店舗チェック”をして、モチベーションを上げながら“教育”する。」

社長が店舗視察を行う際にすることは主にこの2つだ。もし社長自身が毎日全店舗を回り、チェックや指導を行うことができればサービス品質は確実に上がる。売上も10%以上伸びるだろう。しかし実際は、店舗が全国に散らばっており、教育が行き届いているかをチェックすることは難しい。

「ならば、それに近い状態を作ればよいのでは。」

仮に本部の周りに店舗が密集しているような状態を作ることで売上が10%伸びるのであれば、「このアイデアを何らかの形で実現できれば革命的」であることに高橋氏は気が付く。

「『どこでもドア』は現実的でないにしても、それに近い状態を作ることができるのではないか」と。

教育方法もチェック方法も、やり方にはノウハウがある。それぞれのサイクルが回るように、最初に体系を決め、すべてのシーンをそれぞれ数十秒くらいの動画で構成。写真と言葉で何かを説明するよりも、3秒ビデオカメラをまわした方が現場の状況がリアルにわかる。これがClipLineの原点だ。

多店舗を展開している様々なサービス業で応用可能

「最初は飲食業を想定して作ったが、多店舗を展開しているサービス業であれば、結局みんな同じように困っている。例えば小売業でも、棚をどう作るとか、どのようにお客さんに説明をするのかとか。チェーン店であれば一定程度標準化されたサービスを提供しなければいけないが、それができていない」と高橋氏。

ゲームセンターのクレーンゲームを想像してほしい。ぬいぐるみなどの景品が「取れそうで、取れない」という絶妙な積み上げ方があり、積み方一つで売上に2倍の変化が出るという。

クライアント社内では、これは非常に重要なノウハウなので、ClipLine導入までは、写真を撮影したり、文字で書いて説明をしていたそうだが、積み上げ方の「絶妙な加減」を正確には伝えることができなかった。

そこでClipLineの登場だ。積み上げられたぬいぐるみの周りをぐるっと動画で撮り、各店舗に共有することで、その絶妙な加減を正確に共有することを可能にする。
 
 
現在すでに、外食業では吉野家やダイヤモンドダイニング、その他にもナムコといった大企業に採用されている。

高橋氏は、なぜこのようなサービスを思いついたのだろうか?連載第2回は高橋氏の起業ストーリーと、ClipLineが解決する「サービス業における店舗ごとのバラつき」に、より深く迫ることとする。

⇒連載2回目、続きはコチラをクリックください!
 
 

【クリップライン紹介動画】

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